南半球、AustraliaはSydneyで暮らしています。郷に従いLazyに自己主張☆毎日が新鮮な日々!


by mikey_t
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長い夢

仙台に住んでいたころ、一時的に少しだけ気になっていた男の子がいて、その子が夢にでてきた。
当時は大勢の友人同士のなかのふたりで、恋愛に発展するような出来事は一切なかったのだが、私の中で彼は「たいそうピュアな心の持ち主」だった。本当にピュアな人の前では足がすくむものだ。なんだか彼には本当の自分をいとも簡単に本能で見抜かれる気がして、本当は恋をできたのかもしれないけどその前に「彼とはずっとこのままでいたほうがいい」とかなり賢明で正解な判断-今の私が思えば-を、当時の私はあえてしたような気がする。感覚的に言えば、そんなに近くもない細く長い友人関係を紡いだようなもの。また、彼が好きなのか単にそのピュアさにあこがれているだけなのかわからなかったということもあったけれど。

種類は違えど3年過程の学校に通い、同じ年に国家資格を取得したため、お互い卒業と共に仙台を去ることとなった。私は東京、彼は大阪へ。私たち以外の仲間のほとんど全員は大学4年目を迎えさらにその後大学院へ行くことが決まっているような人たちだったから、別れという別れはなかったように思う。だから、次に彼はどうしているだろうかとふと気がついたとき、私は東京にいて忙しい毎日を送っていた。特に仲が良いわけではなかったから頻繁に連絡することも来ることもなく、仙台に残っていた仲間たちもまた彼とは疎遠になっていたようであった。

それから3年ほどの月日が流れて突然彼から連絡がきたのが今年の2月のことだ。ケータイの画面に彼の名が表示されてかろうじて登録してあったのだと気づいたとき、私は長い間彼と会っていないことを自覚した。
3年の間で蒸発説まで流れた彼だが、必要ならば連絡を取ってくるものだ。どうやらこの春に東京での就職を考えているらしく、「東京ってどうなの?どこが住みやすいの?」なんてアバウトな質問をしてきたのだった。彼が私が東京にいることを知っていて、さらにおそらく東京と言えばと思い出したのが私であったということに多少の驚きはあったにせよ、少しの気まずさも多少の年月が作り出す違和感などもまったくなく嬉しさを感じたことが記憶に新しい。それは旧友なら誰にでも起こるごく普通の感情である。しかし、私の中で一番嬉しかったことは何かって彼はやはりピュアでノーティだった、ということだ。
もし彼の電話があと1か月遅かったなら、彼は「電話番号は現在使われておりません」……無機質なアナウンスを聞くことになっていただろう。オーストラリアに行くことを話せたこともよかった。

それから再び、いやもう何度もだけれど、また私は彼と疎遠になり実際彼が移住してくるのかどうなのか確認することすら思いつかず、バタバタとあっという間に日本を発つ日を迎えた。シドニーに着いてからは何もかもが新鮮で生活をするのに精一杯でいつ慣れるときが来るのかもわからず、旧友のことなど考えている余裕はなかった。
それが、今から4日ほど前。急に彼が夢に出てきたものだから驚いている。そして何だか会いたいと思う。寝ぼけた脳で、あのときに思ったこと……私はピュアじゃないのであの人に愛されるのはむり……まるで淡い恋心が復活したみたいだが多少落胆もした。こんな異国にいて、今彼がどこにいるかもわからないのになぜ私は今になってもピュアな人に堕ちつつ退こうとしているのだ!そして、彼が好きなのかただピュアにあこがれているだけなのかわからないし……大人になってもまた同じことを考えた。あぁ、自分っていつまでも成長しない。
しかし、とりあえず彼が今東京にいるのかどうか、旧友に連絡を取ることにした。彼が東京にハマってくれたら何もいうことはない。
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by mikey_t | 2008-05-23 18:26 | エッセイ的な